なぜ今リスキリングなのか
リスキリングという言葉を頻繁に目にするようになって久しい。
ビジネスマン、とくにIT業界にいる人にとっては自身の知識・能力をトレンドに合わせてアップデートさせることは珍しくないが、他の業界の方々からすればそうでない部分もあるだろう。
現代でリスキリングがトレンドになる理由は、以下のようなところによる。
- IT技術、サービスの目まぐるしい変化に社内人材を対応させるため
- 中途採用によらない社内ケイパビリティの強化
- 既存社員の能力開発の促進および転職意向の引き下げ
これらは基本的に業界・職種を問わず求められる企業の継続的発展や競争力の向上の必須要素。つまりどのような企業の役員、マネジメントレイヤーにおいても関心が高いため、社会的なテーマとして急浮上しているのだろう。
ちなみに、リクルートワークス研究所が提唱しているリスキリングの定義は以下だ。
「現職とは異なる職種、特にデジタル職種にスキルを塗り替えること」
日本におけるリスキリングの重要性
AmazonやWalmartなど、海外の名だたる大企業においても巨額を投じてリスキリング施策が推進されるなど、全世界的な潮流に成長したリスキリングだが、とくに日本においてその必要性は高い。
なぜなら、日本には海外と違い終身雇用の慣習が依然残っており、既存社員の技能向上が生産性に直結するからだ。
日本の大企業においては、各国と比べて人材の流動性が低く、とくにすでに40~50代の社員は退職金その他の理由から定年までを新卒から一貫して勤めあげている企業で終えるのがいまだに一般的だ。
こういった社員の中には、当然優秀な人材もいるだろうが、中には転職に必要な技術や向上心がなく、惰性的に今の会社にとどまっている社員も少なくない。そして、日本の雇用慣習上こういった社員でも、こと昇給においては勤続年数に応じてなされ、たとえ成果が上がっていなかったとしても雇用規制によって退職・減給は難しい、といった構造上の問題から、いわゆる「働かないおじさん」を大量に抱える企業が存在するのだ。
こういったある種の「負債」の解消に、リスキリングのトレンドは渡りに船。もし働かないおじさんが一念発起してITの勉強をしてくれたら、、、そして多少なりとも生産性を向上させてくれたら、、、と考える経営者は少なくないだろう。
転職エージェントが【リスキリング】のトレンドを武器とするために
こういった状況はいわゆる事業会社内で起こっていることだが、では一転して人材紹介企業ではどのようにこのトレンドを扱うべきか。そして、もう一歩進んでどのように営業成果の向上に結び付けるべきか。
一見、リスキリングのトレンドは「今いる企業に引き続き留まる社員を増加させるのでは」という、人材紹介にとって好ましくない状況を生みそうにも見えるが、実際はそうではない。
なぜなら、まだリスキリングの潮流は起こったばかり。各社どのように社内制度や体制を整えるか、というところを試行錯誤している段階で、従業員の業務にその施策が反映され、そして実際に成果が上がってくるのは数年先になるからだ。
だとすれば、むしろこれを好機として転職活動に結び付けることも可能。たとえば、以下のようなスキームが考えられる。
【リスキリング体制の整っていない企業→整っている企業への転職フォロー】
非常にシンプルだが、ファーストステップとしては問題ないだろう。
そして次にやるべきことは【既存求人からリスキリング要素を掘り起こす】【求人票・営業訴求に反映させる】の2点だ。
既存求人内のリスキリング施策(一例)
- 社内研修
- 学習費の補助
- 海外駐在、語学研修
求人票・営業訴求に反映させる
- 求人票におけるリライト依頼
- 求職者へのアプローチテキストの修正
- 営業スクリプトへの反映
こういったところを、例えばVINCEREコアの詳細検索機能を利用しながら発掘・アプローチしていく。ラベリングの変更からコンタクトへのアプローチまで、起点となるCRMの作り変えをスムーズに行えることが弊社サービスの強みでもある。
トレンドワードは基本的にコンタクト・求職者の関心を掴む上で非常に重要。ぜひこの波に乗り遅れないように早急に施策化を進めていただきたい。