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【人材紹介×ChatGPT企画 / 第2回】履歴書の自動スクリーニング機能の実装をChatGPTを用いて検討する

採用 ITトレンド

Posted 10/05/2023

前回のブログ『ChatGPTを使った新サービス・業務改善案をChatGPTを用いて作成する』では、以下のプロンプトをベースに施策案をリストアップするところまで行いました。

【ChatGPTやGenerative AIを使った人材紹介企業の業務改善の施策案を10ほど上げてください。】

改めて見直しても、施策検討のパートナーとしての有用性は高いと感じますが、今回は出てきた施策リストをChatGPTを使って更に深堀り、具体的にどう実現していくか・課題は何か・どんなリソースが必要か、といったより実装に近い部分を考えていきます。

全部で十数の案が出ていますが、とくに人材紹介ビジネスで競合優位性を確立する上で、今後着手するインセンティブの高いジャンルからトライしてみます。

まずは【履歴書の自動スクリーニング】から。

 

  

01. 履歴書の自動スクリーニングの概要

 

前回のブログでChatGPTが出した具体的な施策内容は以下でした。

Generative AIを使って履歴書の情報を解析し、適切な求人情報とマッチングさせることができます。これにより、採用プロセスが効率化され、適切な候補者と企業がマッチする確率が向上します。

ここからは、上記の実現性を確認していきます。

前提として、履歴書の読み取りは画像認識AIで行ったとします。

読み込んだ履歴書データについて、自動で適切なマッチングを行うためにどのようなシステムが必要か、ChatGPTに聞いてみました。プロンプトは以下です。

【人材紹介企業が求人と求職者を自動で適切にマッチングする上で、以下のような「履歴書の自動スクリーニング」のシステムを作ると良いのではないかと考えています。

その際、スクリーニングした情報と過去のマッチング履歴やWeb上のトレンドなどを反映させるために、どのようなシステムを検討、実装する必要があるでしょうか。利用可能なサービスなどもいくつかリストアップして説明してください。】

ChatGPTの回答はこちら。

  • 履歴書の自動スクリーニングシステムを構築するには、以下の要素を組み込むことが必要です。
  •  
  • テキスト解析: 履歴書のテキストデータを解析し、候補者のスキル、経験、教育履歴などの情報を抽出します。このために、自然言語処理(NLP)技術を利用することができます。
  •  
  • 過去のマッチング履歴の分析: 過去の成功したマッチング履歴をもとに、求職者と求人の適切なマッチング要素を学習します。これにより、システムはより正確なマッチングを行うことができます。
  •  
  • Web上のトレンド分析: Web上のトレンドや労働市場の動向を分析し、求人と求職者のマッチングに反映させます。これにより、現在の市場ニーズに合った適切なマッチングが可能になります。

 

なかなか納得感のある回答が出ました。どれも自動スクリーニングから適切なマッチングを実現する上では有用かと思います。

 

【Tips】人材紹介向けCRM「Vincere Core」には履歴書の自動アップロード機能が備わっています。

▼サービスに関するお問い合わせ・デモ依頼はこちら

https://www.vincere.io/ja-ja/request-demo/

 

02. システムに必要な要素とさらなる深堀り

 

上記の回答のうち、「①テキスト解析」と「③Web上のトレンド分析」については、それこそChatGPTにプロンプトを投げることで実現できそうな気がします(もちろん機密データをChatGPTに投入するリスクがあるので、何らかの事前準備は必要ですが)

なので、2番目の「過去のマッチング履歴の分析」について、さらにフィジビリティを深ぼっていきます。プロンプトは以下

【では、「過去のマッチング履歴の分析」を実現する上で、どのようなプロセスが必要か教えてください。

例えば、マッチング履歴をCMRから取り出し、成功したマッチング・失敗したマッチングを分析する必要がある認識ですが、そのために開発が必要なシステムの全体像はどのようなイメージでしょうか。】

ChatGPTの回答はこちら。

  • 過去のマッチング履歴を分析するためのシステム全体像は以下のようなイメージです。
  •  
  • データ収集: CRMから過去のマッチング履歴を取り出します。成功したマッチングと失敗したマッチングの両方を抽出し、分析のためのデータセットを作成します。
  •  
  • データ前処理: 収集したデータを前処理し、分析に適した形式に変換します。具体的には、欠損値の処理、外れ値の除去、カテゴリデータのエンコーディングなどが含まれます。
  •  
  • 特徴量抽出: マッチングに影響を与える重要な特徴量を抽出します。これには、求職者のスキル、経験、教育履歴、および求人の業界、職種、勤務地などが含まれる可能性があります。
  •  
  • アルゴリズムの選択: 機械学習アルゴリズムを選択する際には、精度、トレーニング時間、線形性、パラメーターの数、特徴の数などを考慮します[2]。また、「予測精度の高さ」「計算にかかる時間の長さ」「出力結果のわかりやすさ」に着目することも重要です[3]。
  •  
  • モデルの学習: 選択したアルゴリズムに基づいて、マッチングデータを使ってモデルを学習させます。

 

「特徴量抽出」「モデルの学習」あたりは完全にデータサイエンティストの領域ですね。ちょっととっつきずらくなってきました。

 

03. ChatGPTを使ってオールインワンで実現可能か

 

上記の内容をすべて自前で作成するにはかなりのコストがかかることが想定されます。ただ、そもそもこれらの工程をChatGPTを使って実装できるのではないか、と考えることもできるのではないでしょうか。

そのため、その点についてChatGPTに聞いてみました。プロンプトは以下。

【上記の「過去のマッチング履歴を分析するためのシステム」をChatGPTを利用して作ることも可能ですか?その場合、すべて任せる方法と、一部をChatGPTが担う方法があるかと思いますが、どちらも可能ですか?】

得意不得意はあれ、すべてをChatGPTに担わせることも可能なようです。

 

04. 実現にあたっての準備

 

オールインワンで行う場合にどのような検討をすべきか、以下のプロンプトを投げて聞いてみます。

【すべてをChatGPTで行う場合、どのような前準備が必要でしょうか?
例えば、「過去の履歴(成約に繋がったデータ、繋がらなかったデータ)を教師データとして事前にCRMから抜き出して学習させる」のような準備が必要と考えています。

それを実現する際に、どのような方法が考えられるでしょうか?(OpenAIのAPIを利用する認識ですが、ほかにあれば教えてください)】

  • すべてをChatGPTで行う場合、以下のような準備が必要です。
  •  
  • 教師データの準備: 過去の履歴(成約に繋がったデータ、繋がらなかったデータ)をCRMから抜き出します。このデータは、ChatGPTが学習するための教師データとして使用されます。
  •  
  • データの前処理: 抜き出したデータをChatGPTが解析しやすい形式に整形します。例えば、テキストデータに関しては、不要な文字や記号を削除し、単語やフレーズをトークン化するなどの前処理を行います。
  •  
  • ファインチューニングの設定: OpenAIのAPIを利用して、ファインチューニングのためのパラメータを設定します。例えば、学習率やエポック数、バッチサイズなどを調整することができます[2]。

 

APIを利用することで、教師データを事前に与えてモデルをチューニングするようなこともできるようです。

さすがに、ビジネスサイドのみで調査できる範囲は以上まで、というところに来ているような気がします。最後に、まだ上記だけでは手抜かりがある気がしたので、ちょっと意地悪な質問ですが他に検討事項がないか、という追加の質問をしてみました。

  • ここまでリストアップされた準備は、教師データの準備、データの前処理、ChatGPTのファインチューニングです。この他に必要な準備としては、
  • OpenAI APIの利用設定: ChatGPTを利用するには、OpenAI APIのアクセスキーを取得し、適切に設定する必要があります[3]。
  • テストデータの準備: ファインチューニング後のモデル性能評価のため、テストデータを用意することが重要です。
  • 実際のアプリケーションへの統合: ChatGPTを使った機能を開発する際に、APIを利用するクライアント側の設定や統合を行う必要があります[3]。

 

05.まとめ

 

かなり具体的なところまで踏み込むことができました。
一部推測になりますが、ここまで来たらあとはデータサイエンティストとAPIに詳しいエンジニアをアサインすることでプロジェクトを進めることができるのでは、という肌感覚です。

ただ、かなり大規模なプロジェクトになるため、体力のある大手企業向けの施策といえるかもしれません。

次回は中小の人材紹介企業にとって取り組みやすい施策にフォーカスしてみます。

 

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